飲食店のゴキブリを“根本対策”するための【完全ガイド】

15年の厨房清掃の現場を清掃し続けた、プロの実践対策
なぜゴキブリは飲食店に出るのか(根本原因)
飲食店にゴキブリが出る最大の理由は、
「餌・水・隠れ家」が常にそろっている環境が整っているからです。
これは清掃業界の現場でも共通認識で、
飲食店の油汚れ・排水・湿度は、
ゴキブリにとって“最高の生活環境”そのものです。
つまり、
人間でいうところの“好物の料理が食べ放題で置かれている部屋”に等しい環境が
飲食店の厨房には日常的に生まれています。
そのため、毒餌やスプレーだけでは根本的な解決になりません。
環境を変えない限り、何度でも戻ってきます。
ゴキブリ対策の結論は「侵入させない × 住ませない」の2軸です
効果のある対策は必ずこの順番になります。
- 外部から新しいゴキブリを入れない
- すでに店内にいる個体を減らす
どちらか片方だけでは、絶対にゼロにはなりません。
まずは「侵入を止める」ことから始めます(最優先)
■ ゴキブリの侵入ルートは100%“穴”です
・排水管
・グリストラップ内部
・エアコン排水ホース
・換気扇
・壁のひび
・冷蔵庫下からの空気流入
ゴキブリは身体が薄く、2mmの隙間からでも侵入します。
■ 即やるべき対策
- 排水溝のフタを必ず閉めてから閉店する
- 壁のひびはコーキングで埋める
- 排水ホースには防虫キャップを装着
- 換気扇には金網フィルターを追加
- シンク下・冷蔵庫下に防虫スプレー(天然ハーブ系)を散布
特に排水周りからの侵入は多く、
排水溝に“温度+湿度+餌”がそろっているため、ゴキブリの最優先ルートになりやすいです。
「店内の住処」を潰す(ここが本当の根本対策)
飲食店において、ゴキブリの侵入ルートを完全にゼロにするのは現実的ではありません。
数ミリの隙間からでも入り込み、排水・換気・外気流入など、侵入経路は必ず残るためです。
だからこそ根本解決の軸は、
「住処をつくらせない」+「入ってきた個体を装置で確実に捕殺する」
この2つになります。
そのためにはまず、ゴキブリがどんな場所を“理想の住処”とするのかを理解し、
その条件を徹底的につぶしていくことが鍵になります。
ゴキブリが住み着きやすい環境は、次の4つに集約されます。
①.暖かい ②.湿度が高い ③.暗い ④.狭い
■ 特に危険な場所
- 冷蔵庫下(熱と湿気がこもる)
- グリストラップ周辺
- シンク下・食洗機下
冷蔵庫裏にゴミが溜まっている場合、
そこはゴキブリにとって“ホテル並みの快適空間”です。
ゴキブリが最も集まる場所=油汚れ × 湿気 × 食べカス
ゴキブリは雑食ですが、特に好むものは
酸化した油+腐敗した糖+タンパク質の混合物です。
つまり、
・床の油膜
・グリスト内の油
・排水溝のヌメリ
は、ゴキブリにとって
「大皿に盛られたご馳走が机に置かれている状態」です。
ここが最重要ポイントです。
■ グリストラップはゴキブリのエサ場になりやすい
→ ベタついた油
→ 濃縮された食品残渣
→ ゴキブリを誘き寄せる悪臭
→ 湿度100%の空間
プロの現場では、
対策の8割はグリストと排水をどう管理するかで決まる
と言われています。
グリストラップ専用洗剤はこちら:グリストラップ清掃を劇的にラクにする洗剤
悪臭は“ゴキブリを呼ぶシグナル”です(必ず対策が必要)
悪臭が出る場所は、
「油+水分+菌」が混ざって分解されている場所のため、
ゴキブリが最も集まります。
悪臭を放置すると、以下が起こります。
- ゴキブリが集まりやすくなる
- 他店舗との衛生評価に差がつく
- お客が離れる(Google口コミにも影響)
悪臭対策はこちらの記事で詳しくまとめています。
:飲食店がやるべき本当の悪臭対策とは?清掃のプロが徹底解説
毎日のルーティンで“住みにくい空間”に変える
毎日の閉店後
- 排水溝に熱湯(45〜60℃)を流す
- グリスト内に専用洗剤を流し入れる
- 床の油膜を取り除く
このルーティンを徹底すると、
1ヶ月で悪臭が激減、侵入個体数も減っていきます。
悪臭を消すグリスト専用洗剤はこちら:
まとめ|ゴキブリ対策の“本当の根本”は油と排水の管理です
ゴキブリ対策は薬剤だけでは成立しません。
清掃業界で15年以上の現場を見てきたプロの言葉のとおり、
「餌がある限り、どんな店でもゴキブリは来ます。」
逆に言えば、
・油膜:【「油分解剤」の選び方とおすすめ洗浄法】
・ぬめり:【飲食店の床のヌメリを簡単に除去する方法】
・悪臭:【飲食店の悪臭対策まとめ】
この3つを管理するだけで、驚くほど出なくなります。
